ナガノ

Shiorichair -シオリチェア

朝活タイムトリップ@火之御子社

思っていたよりも<爽やか>じゃない、最近の長野の夏だけど、
それでも、たまに訪れた東京の湿度に比べれば、このあたりは過ごしやすい。
特に、朝晩は、少しホッとできるくらいに暑さが和らぐ。

早朝の神社。

少し湿った空気と、水の流れる音、苔の緑のなかで、椅子に座ると、ふわっと土の匂いがした。

乾いた地面に雨が降りそうな時のペトリコールとは違う、
すでに湿気を含んでいる地面の匂い。

湿った木、葉、土の匂いを嗅ぐと、決まって思い出すのが、小学生の頃の林間学校や遠足などで歩いた自然の中の記憶だ。

それは多分、奈良や和歌山の山の方だったりするのだと思うが、いつ、どこで、どんな話をしたか、ということは思い出せなくても、断片的な景色や匂いなどが蘇る。



小さい頃の記憶は、ふだんは忘れていても、ふとしたことをきっかけに、引き出しから出てくる。その引き金になるひとつが「嗅覚」。名前のない、いや、名前を知らない、嗅いだことのある香りが、一気に記憶を蘇らせる。

(香りを感じる「嗅覚野」は記憶を司る「海馬」と非常に近くにあり、嗅覚と記憶は密接にある。そのことは、知識として知っていても知らなくても、ほとんどの人が経験したことがあるだろう。)

私は今、早朝の湿った神社に座っているのに、
それは小学生の頃に歩いた葉っぱの上だったり、苔の生えた石を踏み締めた靴の裏の感触までもが、リアルに感じられる。

そこに映像として現れる同級生は、みんな子どもの頃の姿だ。
地元を離れて暮らしてる私は、もうその同級生たちに、会うことは無いのかもしれない。
だとしたら、私の記憶の中の彼らは永遠に子どものまま。

そして誰かの記憶の中の私も、ずっと子どものままで存在しているとも言えるのだ。

存在とは何か、時間とは何か、そして、記憶とはなんだろう?
それは、私がいつでも興味をそそられるテーマだ。

人からは笑われるけど、私は大真面目にタイムマシンやタイムスリップに興味があって、進んだ進路は理論物理だったりする。

今、この椅子はタイムマシンなのだ。

物が溢れ、スマホでなんでも見れる時代だけど、椅子に座って何も持たずにできる、記憶のサーフィン。
どこに行くかは「匂い」が案内してくれるようなもの。

椅子に座るだけの朝活は、ヨガをするわけでもなく、瞑想するわけでもなく、
土の匂いを嗅いで記憶のサーフィンをする、地味でプライベートな時間だ。

もうすぐ生誕半世紀を迎える私は、椅子に座って、小学生に戻っていた。

あなたもやってみませんか?

アロマバンビーノ

清水 しおり

アロマバンビーノ代表/嗅覚反応分析士トレーナー。大阪府出身、1998年にIターンで長野市に移住し、そのまま結婚して永住に。子どもの喘息やアレルギーを機に、家庭でのケアのためにアロマテラピーを学び始める。ベビーレッスン運営や長野県カルチャーセンターでのアロマ講師を経て、現在、アロマテラピーや嗅覚反応分析を教えるスクールとしてオンライン講座も展開中。

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