ナガノ

旅行以上、定住未満の初めの一歩!長野の山暮らしを空き家で試す「移住お試し住宅」って?[長野市タイアップ記事]

こんにちは! 「Biotope」ライターのナカノです。
コロナ禍を経て、働き方を見直したり、暮らしの拠点について考える機会が増えた方も多いのではないでしょうか。
「長野への移住を検討したい」
「旅行以上の滞在をして長野暮らしが肌に合うか試してみたい」
そんな方々におすすめしたいのが、長野市街地から車で40分ほど、戸隠地区の「移住お試し住宅」
1ヶ月〜3ヶ月の中長期滞在を想定とした試みとして2023年9月よりスタートしました。

移住お試し住宅 5つのポイント
・原則1〜3ヶ月の中長期滞在を想定(賃貸契約を結び月額の家賃を支払う)
・家具家電・Wi-Fi完備なので、旅行感覚の身軽さですぐに暮らしをスタートできる
・DIYも可能で暮らしながら住まいにアレンジを加えることも(改修時要相談)
・物件が気に入ったらお試し移住後に購入可能
・入居者は近所の方への挨拶、家の周りの掃除
・雪かきなど暮らしにまつわることはなんでも自分で行う

本記事では、はじまったばかりの「移住お試し住宅」について紐解いていきます!
記事の前半では、実際に現在貸出対象の住宅2軒の紹介、後半では事業を主催した長野市のご担当者、施設運用事業者のお二方へのインタビューを掲載。お試し移住をする上での疑問を解決する記事となったら幸いです!
[取材日:令和5年10月]

景観よし、趣よしの「畑が広がる昭和の農家ハウス」

まずやってきたのは2階建てのこちらの住宅。

〈この住宅の推しポイント〉
・昭和の農家住宅、縁側が広く畳の座敷でお昼寝ができる
・駐車場、倉庫、庭と畑がありDIY作業やBBQも楽しめる
・グループ合宿でみんなでご飯をつくったり畑作業やリゾートバイト体験ができる

物件の間取りや設備など詳細はこちら

にぎやかな声が聞こえてきそうな茶の間。日当たりのよい廊下(広縁)も嬉しい。
こちらは2階の和室。布団や家具ももちろん自由に使えます。
水回りはこんな感じ。使い勝手のよい広い洗面台です。
キッチンよりも台所と呼びたくなる趣。鍋やフライパンなども揃っています。
なんといってもこの眺望が素晴らしい! 晴れた日は広々と布団を並べて天日干しにできます。
アウトドアチェアをおいてリラックススペースにするのもよさそうです

広い庭と生活スペースのちょうどよさ「茅葺き古民家の離れの平屋」

続いてご紹介するのは、先ほどの物件から車で5分ほど、長野市役所戸隠支所のすぐ隣にあるこちらの物件です。

〈この住宅の推しポイント〉
・築100年以上の茅葺き古民家の空き家と平屋の離れがセットで利用できる
・駐車場、ガレージ倉庫、庭があり作業やBBQも楽しめる
・離れは2間続きの和室、雑魚寝やパーティーができる

住宅の間取りや設備など詳細はこちら

となりには茅葺屋根が印象的な大きな母屋。滞在中はこちらの利用も可能。
キッチンとダイニングは使い勝手のよさが魅力。調理と食事の導線がスムーズ。
日当たりのよい二間続きの和室。仕切って使うもよし、ふすまを取り払って1部屋で使うもよし。
目の前の庭ではBBQをしてもまだ余裕のある広さです。掃き出し窓を開けると縁側も。
水回りはコンパクトですが、窓があるため明るくスッキリと清潔感のある印象。

この土地で暮らすように滞在をする

ここまで、戸隠地区で現在貸出中の移住体験住宅2軒をご紹介してきました。
「移住お試し住宅」の事業は長野市が主催し、施設の運営を空き家の仲介・リノベーションを専門とする株式会社MYROOMが行っています。
今回は住宅の案内をしてくださった、長野市役所の板倉孝英さん、株式会社MYROOMの倉石智典さんにもお話を伺いました。

株式会社MYROOM 代表取締役 倉石智典さん(写真左)、長野市 企画政策部 移住推進課 板倉孝英さん(写真右)

——「移住お試し住宅」がスタートしたのは9月とのことですが、この事業の目的は?

板倉さん 移住お試し住宅は、実際に移住する前に地域の方と関わりながら地元の様々な行事や日常に参加していただくことで、本当にその地域に暮らすような滞在を体験していただく目的でスタートしました。
空き家に関わる事業は「空き家バンク」もあるのですが、そちらでは売買物件が多く賃貸物件が出てもすぐに借り手がつく状況です。「移住お試し住宅」は長野市での仮暮らしの新たな選択肢でもあります。

倉石さん この住宅に“滞在”していただくまでには、3段階ぐらいのステップがあると考えています。
最初のステップは、空き家見学ツアーを通して現地に来ていただくこと。今ですとまさに紅葉が見頃ですよね。地域の雰囲気を体感しながら、旅行ではなかなかみる機会のない地域の空き家も見ていただけたらと思っています。
 次のステップとして、1〜2泊程度過ごしていただくこと。実際に空き家でご飯をみんなで作って食べ、暮らしを体験するという、ホテルや空き家バンクでもできない部分です。
そして最後のステップとなるのが、中長期的に借りてみることです。お試しに1泊や2泊したりご飯をつくって食べた後、「1日や2日友達と楽しく過ごすのはいいけど、仕事をする場所としてはどうだろう?」っていう方が「ここだったらネット繋がっているし、電気も水道もそのまま使えるから意外と古いけど綺麗だから住み始めてみるか」って思い、借りていただけたらいいなと思っています。

地域の人とのコミュニケーションを図る

布団は綿がふかふかできれいな状態で大切に扱ってきたことが見て取れる。こちらも滞在中は自由に使用可能。

——地域に中長期滞在する方にとっては、「よそ者扱いされるんじゃないか」といった心配やハードルを感じてしまう可能性もあるんじゃないかと思っていて。その辺り、いかがでしょうか?

倉石さん 例えば最初の物件(畑が広がる昭和の農園ハウス)は、所有者のご親族が長年暮らしていた住宅なんです。この地区の方々からすると、たとえ滞在する方が初めてでも、「あの方から借りたんだね」という部分でまずひとつ壁がなくなりますよね。

——なるほど。

倉石さん はい。だからこそ、空き家でお試し移住をする意味があると思っていて。今回の事業は「空き家でお試し」と「地域との繋がりづくり」のどちらの要素も含んでいます。
私達がこの物件の辺りにいると、すぐ近くから地元の人が集まってきてくれて「今日はどうしたの?」と話しかけてくださることも多いんです。そのくらい外から来た方に対して、地域のコミュニティの温度感の高さを実感します。

倉石さんの経営する株式会社MYROOMは善光寺周辺を中心に空き家の仲介から施工、
経営相談など借り手と貸し手に寄り添うスタイルでこれまでも数多くの空き家に関わってきた

板倉さん いずれは入居者と物件の所有者の方とが顔を合わせる機会もつくれたらと思っているんです。所有者の方は「どんな人が暮らすんだろう」と気になるかもしれないですし、入居者はこの家の歴史や、地域の歴史も所有者の方から聞くことで住宅や地域を深く知り愛着が湧くきっかけになるはずです。

——たしかに、かつて誰かが暮らしていた家に滞在することは、入居者にとっても地域での暮らしを継いでいくようで、一から居を構えるよりも安心感があるかもしれません。

倉石さん お試し住宅って、例えば市有施設を改修して綺麗な建物で全て揃っているといった場合が多いです。そうすると、住宅の中で暮らしが完結しちゃうんですよね。ここでは住宅内外のお掃除もしてもらいますし、引っ越してもらったら、たとえ1ヶ月の短期滞在でも近所に挨拶回りをしていただきます。たとえば「ごみはどこに捨てたらいいですか」など、暮らしの中での地域の方とのコミュニケーションを持っていただきたいのです。
 また、滞在中のお試し体験プログラムを用意して、キャンプ場の駐車場でガイドのアルバイトをしてみたりとか、畑仕事のお手伝いといったオプションも考えています。

お膳立てしすぎない移住体験の形

——今回の移住体験住宅の事業の最終ゴールは移住になるかと思います。長野市に移住を検討される方はどのような悩み事や相談を持たれるのでしょうか。

板倉さん 「雪が少ない地域がいい」とか「どれぐらい雪が降るんですか」といった相談は多いですね。一方で「ウィンタースポーツが好きだから戸隠や山の方に住みたい」という方の声もいただいています。
この移住お試し住宅での暮らしに関しては運営側がお膳立てしすぎず、滞在中の移動手段や雪の日の対策など、暮らす上での身の回りのことをご自身で調べていただく、そういった部分も踏まえて体験を楽しんでいただきたいなと思います。

板倉さん また、長野市を知ってもらうきっかけとして、入口はいろいろあってもいいなと思っています。もしかしたら、一度市街地で暮らしてみて「長野市って意外といいところだよね」となり「今度は山の方で体験してみようか」というきっかけになるかもしれません。

——最後になりますが、事業についての今後の展望についても教えてください。

板倉さん 戸隠での移住体験はもちろん、今後様々な地域を体験していただくプログラムを考えられたらと思っています。戸隠では戸隠の繋がりや地域の行事があるけれど、おとなりの中条地区ではまた別の繋がりや行事がありますよね。それぞれの地域の特色を生かすような取り組みを考えていきたいです。

倉石さん 地域の方と移住体験される方の両方からの関わりを大切にしつつ、運営側としてもお手伝いをできたらと思います。

所有者から入居者に宛てた一筆も

雪かきや掃除など自分で暮らしのハンドリングを行う移住体験住宅。
観光客として地域に滞在するのではなく、まさに「この地域での暮らし」を体感できる取り組みです。
まずは1ヶ月、1シーズン暮らしてみる。そんな移住の一歩手前のステップをぜひ踏み出してみてください!

<お問い合わせ先>
[お申し込み、空室状況の確認及び物件に関する内容]
株式会社MYROOM TEL:026-219-6680 Mail:info@myroom1.com
[事業に関する内容]
長野市企画政策部移住推進課 
TEL:026-224-7721 FAX:026-224-5103 MAIL:iju@city.nagano.lg.jp

[Biotope×長野市タイアップ記事]

フリーライター

ナカノヒトミ

1990年長野県佐久市出身。
2017年よりフリーライターとして活動開始。どこでも地元メディア「ジモコロ」などウェブメディアを中心に執筆を行う。
2018年4月に「シンカイ」の店長になり、佐久市から長野市に引っ越す。2020年に出産し子育て中。

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