ナガノ

Vol.3 長野県の夏リアルボイス 〜え、ごめん。蒸し暑すぎ〜

「リモートワークで仕事できる今、都会に住み続ける理由ある?」

ふとそんな風に思い、田舎での暮らしについて調べ始めたアラフォー女子。
移住先候補として「長野県」に白羽の矢を立て、旅行ではなく住む場所としてのメリットデメリットを調査!移住という妄想を現実にすべく長野県とより濃く付き合ってみたリアルストーリーを届けます。

本当ごめん、長野ムリかも。

「はぁはぁ・・」
流れ落ちる汗をハンカチで拭いながら、一人佇む私。

時刻は、午後2時30分。
降るような蝉の声と、湯気が出そうな参道。
目の前にはりんごソフトクリームを片手に歩く高校生や、
八幡屋礒五郎のお土産袋を持っているご夫婦の姿。

そう、何を隠そう私は善光寺帰り。
王道の満喫コース、三堂と史料館を参拝し終わって
長野駅に向かうべく、バスを待っているのです。

ほんの5分待っている間に、服が絞れそうな程汗をかき、
脳内は参拝の感動よりも’シャワー浴びたい’でいっぱい。

「長野、蒸し暑ぅ・・・」

うめくように思わず漏れる声。

「こんなはずじゃなかったのに」

#長野、蒸し暑ぅ

「避暑地」に魅せられて

遡ること2週間前。
私は東京の恵比寿のスタバにいました。

#東京人スタバで仕事しがち

近頃はスコールのような夕立が続き、また蒸すような夜が来る。
その繰り返しによる殺人的な暑さにすっかり参っていました。

仕事を終えて、恵比寿駅に向かう途中のビルをふと見ると、
現在の天気と温度が表示されていました。

『快晴 38℃』

思わず二度見。

『38℃』

いやいやいや。

体温より暑いやん!
こんな中、生きていける気がしない・・

手元のスマホを見ると、映画を撮影した長野の写真。

春先のりんご園。
次来たら行くといいと勧められた善光寺や戸隠神社。

涼しげな写真が私の心を癒してくれました。

「長野が呼んでる!」

決めたらすぐの私は、スマートEXで新幹線を取り、
長野での避暑に胸躍らせたのです。

長野観光、理想と現実

そんなこんなで楽しみにやってきた長野 in サマー
東京から新幹線で約1時間半。
午前中のうちに長野駅に降り立ちました。
長野って、本当にアクセス最高ですよね。

(理想)
「あ〜涼しい!やっぱり羽織もの持ってきて正解。」
長野に着いてから、持参したカーディガンを肩にかけ、
爽やかな風に吹かれて、まずはバスで戸隠神社へ。

奥社の参道を颯爽と歩くこと40分。
杉並木をサイドに見ながら、ひんやり冷たい空気に心と体を浄化され、
素晴らしい時間を過ごします。

思ったより涼しかったのでお蕎麦屋さんではあったかいお蕎麦をチョイス。
長野市に戻って善光寺にもお参りします。

私って今、エネルギー満ちているかも・・最高!
さて、駅に戻ろう。
歩きやすい陽気だから、駅までお散歩がてら歩くのもいいな。

(現実)
「思いの外暑いな・・日差しも強いし、日傘どこかな」
しまってあった日傘を取り出してバス停に向かい、戸隠神社へ。
バス車内はエアコンが効いていて、思わずカーディガンを羽織ります。

奥社の参道は涼しげだったけど、40分歩くと汗だくに・・
この間にアイスを飲むように食べ、なんとか持ち堪えます。

お蕎麦屋さんではキンキンに冷えたお蕎麦を食べ、
長野市に戻って善光寺にもお参り。
暑さに参って、1分ごとにお店に立ち寄った結果、
ついついお土産を買いすぎて、両手が荷物で塞がってしまいました。

「バス停はまだ?もうHPが尽きそう・・」

そう思った矢先に、砂漠のオアシスよろしくバス停が目に入り、
無事に生きながらえて駅に帰還。

移動はエアコンで冷え、外は溶けるような暑さ。
この落差に体力持っていかれるな・・と思い始めたその時、
駅近くの建物に表示された現在の気温が目に入ります。

『36.8℃』

東京とほぼ変わらないやん!!

盆地の罠にまんまとハマる

なんでこんなに暑いんだろう・・
長野県って、標高の高い場所でしたよね?

Google先生にも聞いてみました。

『長野 夏 涼しい』

県全体の平均標高は1000メートルを超えていて、
47都道府県の中で一位とのことです。

ですよね?
そうですよね?!

が、一方で、長野県は実は暑い場所という内容も多く発見しました。

その原因は
・温暖化
・海なし県の盆地
・フェーン現象
などなど。

真夏日(30℃以上の最高気温になること)の日数も50日前後で、
どうやら暑い要因はバッチリ兼ね備えているようです。

ふふ、どうやら長野の涼しさを過信していたようね。
まんまと盆地の罠にハマったわ・・

#盆地の罠

長野県とは一気に距離が縮まったと思っていたけど、
この暑さはちょっと考えもの・・

涼しいと思ってウキウキやってきた私はバカだったのね。
一度実家(東京)に帰らせていただきます。

(続く)

次回
「vol.4 世界一うまい!長野のりんご推してます!!」

フリーランス

ともみん/林ともみ

東京都新宿区在住のシティガール。自分らしさを追求して、フリーランス歴12年。これまで舞台脚本、コラム、イベント企画でのシナリオ執筆を担当する。独自のワードセンスや言い回しで、クスリとさせる文章が得意。りんごとワーケーションが大好き。

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