ライフスタイル

ガンサバイバー女子の座談会@ZQ ①

はじめまして。去年まで、元気があればなんでもできると思っていた湯出川です。
普段はフリースペースである、飯綱町コミュニティスペースZQで管理人をしています。
一昨年に脳腫瘍が発覚し、半年の入院と3度の手術を乗り越えて、無事シャバに戻ってきました。
私は運よく良性腫瘍だったのですが、自分が退院した頃に、ずっと入院していた知り合いが悪性腫瘍で亡くなったことから、生死について考えるようになりました。

自分が生かされている意味ってなんだろう。

彼女は亡くなったのに、なぜ自分は生きているのだろう。

自分が生かされている意味ってなんだろう。

神様は、乗り越えられない壁は与えないと言います。

ならば、自分がこの病になったことにも、きっと意味があるはず!

生きている自分にできることってなんだろうと考えているときに、身近なところで「がん一歩手前です」、「がん治療中です」、「実はがん経験者でした」なんて、がんと戦っている女性との出会いが次々とあって。“湯出川も歩けばガンサバイバー女子に当たる”状態になったので、これは一度集まって話を聞くべきなのでは?神が座談会を開けと仰っている!と、メラメラ使命感に燃えたのでした。

私は今回の入院で、セカンドオピニオンや保険の大切さを痛感し、自分と同じような辛い思いをする女性が1人でも減るように、会う人会う人に話をしていたのですが。

がんを生き抜いた彼女達は、どんな思いで乗り越えてきたのだろう。

きっと私以上に辛く苦しい経験をして、私以上に周囲に伝えたい思いがあるに違いないはず。

思いがあるけど行き場がない、そんなガンサバイバー女子が集まって、悩みを共有したりアドバイスし合ったりして、情報共有できる場を提供したい。

そして座談会の様子を知ってもらうことで、がんは他人事だと思っている女性に、ぜひ自分事として考えてみてほしい。

そんな思いで、今回3人のがん経験者に集まってもらいました。

<座談会メンバー>

金子緑さん
・職場の健康診断で子宮頸部高度異形成が発覚、進行して1年後に手術
・小布施町在住
・美術館勤務
・夫と子ども(5歳)の3人家族

天野奈津美さん
・不正出血があり、体に異変を感じて病院へ行き、子宮頸がん発覚
・飯綱町在住
・りんご農家
・夫、子ども2人の4人家族

湯本裕子さん
・ずっとピルを服用していたことから、医者さんから定期健診を勧められ、その検診で子宮頸がん発覚
・山ノ内町在住
・フェイシャルリフレクソロジーのサロン<あわい>オーナー
・夫、子ども2人の4人家族

<がんの発覚から、オペ~治療① 天野さんの場合>

私の場合、癌が発覚したのは2022年の7月末なんだけど、それまでは2年おきに子宮頸がんの検査をしていたんだけど、それで引っかかったわけじゃないの。不正出血がきっかけ。でも、私はストレスがあると1ヶ月ぐらい生理が止まらないとか、たまにあったし、若いこともあって、またストレスかかってるせいだって最初は思ったんだけど、なんか虫の知らせってやつかな?ちょっと病院行った方がいいかもって思い立って病院寄ってみたら、見事に要精密検査。さらに詳細な検査をしたら、AGCっていう項目が引っかかった。これは何だろうと思って調べたら、もう異形成ではなくゲージ的には癌なんだってわかっちゃったから心構えはできてた。先生に「どうなんですか」って聞いたら、「悪いものが見つかりまして」って言われて。はっきり言わないんだなって思った。それで「癌ですか?」って聞いたらそうですって。こっちから言わせた感じ。(笑)

でもその頃は、何も自覚症状がなく元気だったから、癌って言われてもピンとこなくて。そのうち不正出血も止まっちゃったし。あの時の<虫の知らせ>を逃したら、危なかったと思う。

でも、諸事情によりオペが少し遅れて、その間に一気に具合が悪くなってきたの。動悸はするし疲れやすいし、なんか背中の骨が痛くて。こんな短期間で癌は成長してるんだなあって実感した。

治療方針は、まずオペで、おへその上から20cmぐらい切って、子宮と卵巣と骨盤、リンパ節まで全部でっかくごっそり取りましょうとなって。最初は骨盤リンパは取らない予定だったけど、1か月の間に進行しているかもしれないから大事をとって全部取りましょうってことになったの。更に再発転移防止のため、抗癌剤も打つことに。

抗がん剤で一番恐怖だったのは、毛が抜けること

自慢のロングヘアだし、まつ毛も結構長かったから、「それ抜けるの?」って、女としてすごくショックだった。それに卵巣を取ったら更年期もきちゃうじゃん!って怖かった。

あー!もう嫌だなと思って、どうするかを先生に聞かれたときに断ろうと思っていたの。でも主治医の先生はじめ、いろんな先生と検討した結果、やっぱり抗癌剤やったほうがいいよって説得されちゃってさ。命を優先するんだったらやった方がいいんだと思って結局受けることにした。

そこからオペの予約が取れなかったりして、結局発覚してから2ヶ月後にオペしたんだ。オペの前日に入院したんだけど、そのとき初めてSNSでみんなに報告したの。

普段SNSやらないし軽い気持ちで発信したのに、すごいラインのメッセージが来るので、ひたすら返信するのに忙しかった(笑)、オペの前日に便秘薬で全部出さなきゃいけなくて、夜中結局トイレ1時間おきに行くから眠れなくて。今は抗癌剤6回投薬して、2ヶ月に1回の検診で10年要経過観察と。でも私の思っていたステージ1ぐらいのレベルとは違う。1なのに、子宮も卵巣も骨盤リンパも取るのかと思って。

子宮筋腫と違ってパッと取ったら終わりじゃなくて、腺癌の場合は広範囲に散らばっているからやっかい。腺癌の恐ろしさ知らなかった。

抗癌剤治療はもう1回目から効きやすくてゲロゲロ。周囲のガンサバイバーのおばあちゃん達に聞いても、そこまで酷くないから、聞いたこと違うじゃんっていうぐらいグロッキーで。これ6回もやるの嫌だなって。

でもさ、自分の中に癌があれば頑張って打つけど、今現在無くて予防のためにこんなに打つのかと思うと心が折れそうで。3回目に先生に止めてもいいですかって聞いたら、せっかくだから6回全部打ちましょうって説得されて。体も辛いけど精神的にきつかったなあ。薬の副作用で記憶障害も出てきて、言葉が出てこないの。子どもの名前も忘れちゃうくらい(笑)それでも悪あがきして、毛が抜けない薬はないか調べたの。でも子宮系の投薬は毛が抜ける物しかないんだって。最初は抜けないように気を使っていたのだけど、もう頭を振るだけでパラパラ落ちるようになっちゃって。禿げたオヤジが悪あがきしてバーコード状態(笑)。1回ショートボブにしたけど、もう頭頂部が結構薄くなってきたから、もう思い切って娘にバリカン渡して、断髪式を娘にやってもらってる動画をSNSにアップしたの。

娘は付き合ってくれたけど、息子はね、男の子のほうがやっぱメンタル弱いから見れないの。女は強いよね。私はもう落ち込んでなんていられなくて、結構あっけらかんと。だってそんな経験できないじゃん。人生でまさか自分がスキンヘッドになるなんて。

眉毛はまだ戻らないのだけど、睫毛は緑内障の目薬が美容でいいって聞いてつけていたら、前より長くなって良かった(笑)子ども達、特に息子はお母さんが一生坊主だったらどうしようと心配していて、やっぱり見た目がショックみたい。髪が生えてきたことに凄く安心していた。免疫力低くなっているところにコロナに感染して何度も高熱出たけど、高熱に慣れたせいか、38度後半になってもかつ丼とラーメン食べてて。多分ね、食べるか食べられないかで、がん患者の明暗て分けられるのかもしれないね。

「ガンサバイバー女子の会」は、2ヶ月に1回開催予定です。
開催決定した場合はZQのFacebookでお知らせするので、気になる方はチェックしてください!
こちらに連絡してもらってもオッケーです→ zq.kikaku@gmail.com

飯綱町コミュニティスペースZQ

湯出川奈津子

2020年から飯綱町コミュニティスペースZQの管理人。飯綱町のいいなを発信するため、お隣の中野市から通う日々。
鉄分多めの息子の影響で着々と鉄子に変化中。
2023年から「ガンサバイバー女子の会」を2ヶ月に1回開催(予定)。

LATEST

ガンサバイバー女子の座談会@ZQ ①
BIOTOPE NAGANO BIOTOPE NAGANO
Biotopeに参加したい企業様や個人様、掲載に関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。
移住・起業・暮らしに関するご相談は、こちらからお問い合わせください。