データから見える長野県民の県民性Vol.1長野県民の消費事業
こんにちは。
Biotopeライターの伊勢さつきです。
Biotopeメンバーにはお馴染みのアロマバンビーノさんの嗅覚診断で<分析大好き人間>と診断されました(笑)
今回、そんな分析好きな特性をいかし、“データから見える長野県民の県民性”をテーマに執筆していきたいと思います。
まず、私が気になっていたのは、こちらの本。
Amazon:消費の県民性を探る―47都道府県で売れる商品・売れない商品 | 坂本光司研究室, アタックスグループ |本 | 通販 | Amazon
2007年出版のため、少し古いデータにはなってしまいますが、各都市の家計に占める主要品目の消費支出額から県民性を探るという書籍です。
早速ですが、長野県民が「よく買う商品」と「あまり買わない商品」をピックアップしてみると…
◆よく買う商品
商品名 | 全国消費額順位 |
小麦粉 | 1位 |
食用油 | 1位 |
食塩 | 1位 |
電気こたつ | 1位 |
生うどん・そば | 2位 |
もも | 4位 |
◆あまり買わない商品
品目 | 全国消費額順位 |
鶏肉 | 46位 |
牛肉 | 47位 |
はくさい | 46位 |
生しいたけ | 46位 |
ねぎ | 47位 |
※「消費の県民性を探る」より2000年~2004年の対象都道府県の消費支出額の平均から抽出したものを抜粋
▼電気こたつの消費額が全国でもトップクラス
これは意外な順位でした。
長野県より寒さが厳しいエリアは多くあれど、堂々の1位!
確かに考えてみると、長野市内の私の実家もこたつが毎年冬になると4台は出ています。
内訳は、来客用のきれいめで大きなこたつが1台と、普段家族が使うこたつが1台。あとは猫用のこたつが2台(笑)猫用は人間が油断をすると、こたつ全体が猫に占拠されてしまうために作ったものです。
「流石に我が家は多すぎかな?」とも思いますが、こんな形で家の中に複数台あるご家庭もあるのでは?
こたつの消費について調べていて面白かったのが、<こたつ文化が長野県民の“議論好きな県民性”を作った>というもの。確かに、こたつにみんなであたっていると、みかんを食べたりしながら、「あーでもない、こーでもない」と色々な話ができますよね。
議論、とまではいかなくても、こたつはもしかしたら家族の円滑なコミュニケーションに一役買っているのかも。
私の周りでは「こたつがあると、何もできなくなるから出さない!」なんて話も聞こえますが、円滑なコミュニケーションのためと決めて(言い訳して?)、こたつを出してみるのも良いのかも!
▼郷土食に関係した消費が多い
ここについてもあまり自覚はなかったものの、郷土料理を思い起こすと納得のいく項目です。
まず、生うどん・そば。こちら1位はあの<うどん県>の香川なのですが、長野はそばでランクインしていると思われます。そばといえば、いわずと知れた長野の郷土食。スーパーでも色々なそばの麺が並んでいて、どれにしようか迷ってしまいますよね。
そしてここに付け合せるのは、色とりどりの野菜や山菜の天ぷら。と、くれば、おのずと食用油や衣につかう小麦粉の消費もあがりそうですね。そもそも、おやきの皮も小麦粉ですし。
あと、小麦粉に関して言えば、佐久市は「日本三大ケーキのまち」だって知っていましたか?
神戸、自由が丘に並び、佐久市がランクインしています。ここに関しては、気候がお菓子の聖地フランスと近いからとか、良質で新鮮なフルーツが手に入るからなど色々な要因があるそうですが、ここも小麦粉消費に一役買っていそう。
食塩の消費額は、お味噌や漬物などをよく食べるからでしょうか。私の実家でも、毎年野沢菜や梅干しを自宅で作っていて、その時期には塩を袋単位で購入しています。
▼野菜の消費額は少ないものの、消費量はトップクラス
よく県外の人からは、「長野県は新鮮な野菜が安く手に入るから、うらやましい!」なんて言われますが、意外だったのは、はくさいや生しいたけ、ねぎの消費額は少ないこと。
一方、野菜の消費量が少ないかといえば、逆で、長野県のデータ(※1)によると、長野県民の野菜摂取量は全国1位、そしてこれが健康長寿の秘訣なんて言われますよね。
※1出典:長野県企画振興部総合政策課「意外と頑張ってます長野県」
ここは憶測ですが、この消費額が少ない野菜は家庭菜園で栽培していたり、お裾分けしてもらったりすることが多いから、消費“額”自体は少ないんでしょうね。
例えば、はくさいやネギなんかは、近所の畑をみてもよく栽培されていますし、私自身も毎年誰かからお裾分けしてもらう野菜です。
生しいたけに関しても、スーパーでは原木しいたけが売られていたりしますよね。以前都内に住んでいる方と長野のスーパーに行ったら、この原木しいたけが普通のスーパーで手に入る状況に驚いていました。
▼お肉の消費額は低め?
これも意外な結果でした。牛肉・鶏肉の消費額は全国でもワーストクラスにあるのですが、加えて、豚肉の消費額が高いかというとそうでもなく…。個人的に長野県はとんかつ大好きだなと思っていたので、豚肉の消費額はそこそこ多いのかななんて予想していましたが、はずれました…。
今まで生活をしていて、お肉をお裾分けされたという経験はないのですが、もしかしらた野菜を多く食べるからこそ、お肉の消費は少なめなのかもしれません。
郷土食のおやき一つをとっても、絶対肉系のおかずを中にいれてもおいしいのに、基本的には切り干し大根や野沢菜、かぼちゃなど野菜系のおかずがメインですよね。
たまに、「肉素材が入ったおやきはおやきじゃない」なんて過激派もいますし(笑)
お肉の消費額の低さからも、長野県民の野菜好きが見て取れるかもしれません。
データから見る県民性第一弾、いかがでしたか?
意外と意識せずに購入している日常品にも県民性が表れてしまうのですね。
第二弾では、「世界最強の長寿県・長野」をテーマに、長野県民が長寿な理由を様々なデータから読み解いていきたいと思いますので、お楽しみに!
フリーライター
伊勢さつき
ビオトープライター。長野県長野市出身。普段はちょっともやもやしたOLを続けつつ、会社で身につけた企画業務やファシリテーション能力を活かして、ライターやワークショップデザイナーとして活動中。将来の夢は周りから愛される骨のあるおばあちゃん。