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イイムロがいく おしかけ職場探訪Vol.2
[柏崎美恵さん第3話]
2021.08.11

イイムロがいく おしかけ職場探訪Vol.2
[柏崎美恵さん第3話]

40代に入り歴然と感じる身体の変化。食事や生活習慣に気をつけながら、自分の時間を増やしてゆく方向にシフトチェンジを考えている美恵さん。具体的にはこれからどんな風に? 身体や漢方にまつわる様々な疑問や不安を、丁寧なカウンセリングで応えていってくれる なつめや店主の美恵さんに、ゆっくりじっくりとお話しをうかがいました。Biotope紙面では紹介しきれなかったロングインタビュー、Web版として全3回に分けて公開です。

柏崎美恵
長野市出身。薬剤師、国際中医師。製薬会社、薬局などの勤務を経て、2011年 長野市桜枝町にて漢方とハーブのお店 なつめやを開業。店舗でのカウンセリング・漢方の処方だけでなく、食養生を大切にし、薬膳を取り入れたメニューのプロデュースや薬膳講座も行う。

第3話:『省エネで生きていこう

飯室(以下、飯):国際中医師の資格を取得された頃、空き家の仲介を手がけている不動産屋さんに偶然出会う。
なんだか導かれている感じですね。

美恵さん(以下、美):11月くらいに不動産屋さんと出会って、翌年の1月にはここを借り始めたので、すごい速さでしたね。大まかなところは大工さんに頼んで、壁を塗るのは自分でやりました。

飯:最初から内装のイメージやお店のコンセプトは頭の中にあったんですか?

美:内装のイメージはありました。物の配置などは開業の頃からほとんど変わってないんです。予約制というのも最初からですね。

飯:どんなお客さんがいらっしゃいますか?

美:ここは目の前が道路なので、車で通りすぎるときに、何のお店かなって気になってるんでしょうね。
そして何か相談したいことが出てきたタイミングで思い出してくださるようです。ほとんどが女性ですが、最近は男性も増えてきました。まずメールで来店の予約をいただいて、お店に来ていただいてカウンセリング。生薬を混ぜて作るタイプは自宅で煮出して飲んでもらいます。粉でお出しすることもあります。

飯:相談事はどういうものが多いんでしょう。

美:アトピーや不妊、不眠。更年期で体調が優れないという相談も多いです。よく妊活専門の漢方薬局をやっている方もいるんですが、私はあえて専門にはしていません。いろんな人が来るので面白いですね。

飯:年齢はどうですか?

美:10代の女性や60代、70代の年配の方もいらっしゃいますが、30代から50才くらいが多いですね。

飯:20代の頃って、暴飲暴食しても、少々寝なくてもなんとかなっていましたが、私は30代後半あたりから急に心配事が増えました。

美:10代、20代なんて何をしていても大丈夫、もう無敵状態(笑)、そんな風に感じていましたよね。

飯:私はなつめやさんにもお世話になりつつ36歳で出産しましたが、子供ってそう簡単に授かれるわけじゃないっていうのを20代から知りたかったですし、今は更年期について事前に知りたい。

美恵さんはこういうお仕事をされていますが、ご自身の体調はどうなんでしょう。

美:個人事業主って体調を崩せないじゃないですか。だから自分の体調を万全にしておかないといけない。それが第一ですよね。
やっぱり30代と40代の身体って歴然と違う。私は疲れちゃうとダメなので、疲れることはやめよう、省エネで生きていこうって決めました。

飯:身体的に、20代にできたことがそのままできるわけないですもんね。

美:どこかのタイミングで自分の時間を増やす方向にシフトチェンジをしたい。そうなったときに、自分が食べるものくらいは作れる畑が欲しい。そんな畑のある古民家で自分を受け入れられたらなって。古民家半分、なつめや半分という感じで。

飯:なつめやさんの営業日数や一日に対応するお客さんの人数を減らして、ということですね。

美:自分の命が生き生きするようなことをしてもいいんじゃないかなって思ったんです。自分の内側を見て生活していく、そんなふうに年を重ねていく段階に意識が切り替わりました。

飯:美恵さんと知り合って10年近く経ちますが、顔立ちも体型も変わらないですよね。

美:変に抗うことはないですが、かといって加速して老化したくはない。なつめやさん一気に老けましたね、なんて感じだと、この人の漢方大丈夫?この人の薬で私治るの?って不安になっちゃいますよね。だから、食事や生活習慣など細々と気をつけてはいます。

飯:素敵な年の重ね方ですよね。美恵さんのこれからのシフトチェンジから、女性特有の悩みの、ひとつの解決方法が見えたように思えます。

今日はありがとうございました。

1166バックパッカーズ

飯室 織絵

兵庫県出身。2010年に長野市にてゲストハウス・1166バックパッカーズ開業。ガイドブックの情報ではものたりない旅人と地元のひとを緩やかに繋ぐパイプ役を目指す。日々旅人の話を聞かせてもらうなかで聞き・書きにも興味を持つ。

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