キャリア

「わたしたち」の関係性の中で、「わたし」はどうしていくか

長野で働く20〜60代、100人への「職場に関するアンケート」で見えた
ストレスへの向き合い方

Biotopeで、2024年9月に実施した長野で働く20〜60代、100人への職場に関するアンケート結果とともに、わたしたちが抱えるストレスと、そのストレスへの向き合い方についてお届けします。

長野で働く20〜60代100人が抱える悩みとは

実施したアンケート結果から見えてきたのは、各年代を問わず、
職場で抱えるストレスのトップが「職場の人間関係」に関するものということでした。

年齢別
20代 : 上司との人間関係(47.83%)、仕事量(30.43%)、給料の低さ(39.13%)
30代 : 上司との人間関係(60.61%)、仕事量(36.36%)、会社の将来性(24.24%)
40代 : 給料の低さ(45.83%)、同僚との人間関係(33.33%)、上司との関係(33.33%)
50代 : 同僚との人間関係(31.58%)、給料の低さ(26.32%)、会社の将来性(21.05%)

▼各年代で詳しく見てみると、若い世代(20代)は主に「上司との人間関係」や「給料の低さ」にストレスを感じているようです。一方で、30代以降になると様々なライフイベントを経ていくことから、職場での人間関係に加えて「会社の将来性や方針」への悩みも増えています。40代は「同僚や部下との関係」にもストレスを感じる人が多く、職場内での役割増加に伴う人間関係の悩みが増えていることが窺えます。

▼また、在職期間別で見ると、在職期間が短い社員(半年未満)は環境にまだ馴染んでいないため、「人間関係」にストレスを感じる傾向がありました。1年以上になると、組織文化やルールに関する不満が増えていき、3年以上5年未満になると「昇進・異動」の期待と現実のギャップがストレス要因として浮上しています。10年以上勤続している社員は「昇進の停滞」や「職場の将来性」を懸念し、長期的な視点での改善を求めていると言える結果でした。

在職期間別
1年以上3年未満 : 上司との人間関係(51.85%)、仕事量(48.15%)、給料の低さ(14.81%)
3年以上5年未満 : 上司との関係(62.5%)、職場の規定・ルール(31.25%)、仕事量(18.75%)
5年以上10年未満 : 給料の低さ(61.9%)、同僚との人間関係(19.05%)
10年以上 : 上司との関係(53.57%)、給料の低さ(35.71%)、仕事量(21.43%)

▼有名な「ホーソン実験」*でも、職場への満足度や労働意欲、生産性も「職場の人間関係」に影響を受けると言われています。人間関係の悩みを単なる「よくある悩み」「そういうものだから」「みんな我慢しているから」で終わらせず、もう一歩踏み込んで向き合ってみませんか。

わたしたちの抱えるこの“もやもや”への向き合い方

アンケートの結果から見えてきた「職場の人間関係」に関するストレス。実際のアンケートではこんな声があがっていました。

●会社のHPや説明会では、若手でもチャレンジできる!と言っていたのに、実際はちょっとしたアイデアを出しても問題点を指摘されて終わり。
●資料をつくるのは早いけど、結局手直ししなきゃならなくて毎回イライラ…でも本人にはそんなこと言えない。
●テレワークもサボるからという不信感が透けて見え、必死に働いてますよアピールをしないと認められない。
●何かトラブルが起これば、常に優先されるのは犯人捜し。根本的な改善策には到底話が及ばない…

それぞれが抱えるこうした“もやもや”、そこには職場における「関係性の課題」があるように見えます。この課題を解決していくためには、言いにくいことも言い合える関係性をつくる必要があります。

職場の関係性は、仲良しになるためではなく、共通の目的を実現するために集まってチームを成しています。それぞれが最大限の能力を発揮して目的を実現するには「自分の正直な気持ちを受け入れてもらえる」「やってもいいんだ」という感覚が大切です。

そのためにも、まずは一歩目として相手の話を聴き、対話をすることから始めてみましょう。

とはいえ、相手の話を「聴く」ってどうやればいいの?聴こうとしているけどうまくいかないから悩んでいるのに…と感じる方もいると思います。以下にコミュニケーションのヒントを記載しましたので、ぜひまずは一つでもいいので試してみませんか。

◆ 相手の話を「聴く」対話のヒント

  • 業務報告だけで会話せず、相手の「感情」を聴く
  • 話の中心を「相手の価値観」に置いて話す
  • 「なぜそう感じたの?」「そのときあなたはどう思った?」
  • 必ずしも「合意形成を目指さない」

まず「わたし」から今までと少しでも違うコミュニケーションの取り方をしてみることで、変わってくるものがきっとあるはず。

誰かと話すことで見えてくるものがある

「関係性の課題」に対するアプローチに加えて、その関係性の中にいるわたしたち一人ひとりもキャリア構築の過程で発達をしています。

キャリア理論の一つであるレビンソンの発達段階*では、成人までを「春」、成人になってからを「夏」、中年期を「秋」、老年期を「冬」として人生を四季に例えています。

この成人から中年にかけての過渡期には、職場で役割が変わったり、自分の仕事の限界が見えたり、ライフイベントとともにプライベートでも変化がある時期。また、身体的にも体力の限界を感じる、更年期の変化があるなどの変化もあり、多方面から自分自身と向き合う必要に迫られる時期と言えます。

様々な迷いや悩み、葛藤を経て、自分なりの答えを出していくためにも必要なこの時期を、単に悩むだけで終わらせず、多様な観点から他者に壁打ちをしてもらうことで前向きに乗り越えていくことができるはず。

まずは信頼できる友人や先輩に相談することが一番身近な対策ですが、自分の性格や背景がわかっている相手だと、そこには評価や思い込みが生じてしまうことも。

そこで、「プロの聞き手」に壁打ちの相手になってもらうことで、自分のもやもやを整理するという方法もおすすめです。プロと言っても今はハードルも低く、女性のコンサルタントや、無料で相談ができる場も増えています。

また、普段の職場とは異なる人たちの輪に飛び込んでみる、いわゆる「越境体験」もおすすめです。新しいコミュニティに入ってみるも良し、セミナーやイベントに参加してみるも良し。違う環境に触れることで見えてくるものがきっとあるはず。

■ こんな方法もおすすめ

今までとは違う他者とのつながりが、わたしたちの”もやもや”に向き合うための一つの道になると思います。

「わたし」はできる
「わたしたち」なら、できる。
その一歩を一緒に踏み出してみませんか。

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