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日々、描いたり泣いたり笑ったり#9[「好き」を見つける旅に出よう]

みなさんこんにちは!
前回のコラムからずいぶんと時間が経ってしまいました。忙しく過ごしていたのですが、気が付いたら夏から一気に冬になっていた…。つい最近まで半袖を着ていたはずが、耐えきれない寒さに電気ヒーターを出し(猫が大喜び)、私はヒートテックを着込む毎日です。
やっぱり気候が年々変だよねえ。

さて今回のテーマは「好き」について。
みなさんの「好き」を思い出しながら読んでみてくださいね。

 

自分の好きってなんだろう?

画家という職業をしていると「好きなことを仕事にできていいですね」とよく言われます。

会社員を辞めて、自給自足の暮らしを目指す人、
私のように気ままなアーティスト、
ティックトッカー、ユーチューバー

自由で楽しそうでイキイキしていて、私も「うらやましい…」と思う人はたくさんいます。
最近の社会の流れとしても、「好きなことを仕事にしよう!」とか「ウェルビーイング」とかいう横文字が横行するようになってきましたが、果たして、自分の「好き」を、みなさんは心の底から考えたことはありますか?

 

好きなことと引き換えにやってくる、恐怖

「関口さんうらやましい。私って好きなことないから。」ともよく言われます。私はこれをまだ気付いていないか、気付いていても見ないようにしているかだと思っています。

例えば私、最近気付いた好きなことに「文章を書くこと」があるんですね。子供の頃からコンクール受賞などの経験はあったけど「私なんて…もっと上手な人がいるし!」と思っていたし、会社員時代はマスコミにいた経験もあり、周りに物書きのプロがたくさんいたので、余計に自分とは関係のない世界だと思っていました。

だけどSNSなどで自分の思いを綴ると「関口さんの文章が好き」と言ってくれる人が少しずつ出てきたのです。「あれ?私もっと、書いてもいいのかな」と思った瞬間でした。
みなさんの中にも、そういったことがありませんか?

また、自分の心の中の本当の声に蓋をして、マインド(思考)で物事をとらえると、「好き」なことは途端に見えなくなってしまいます。

これは私の経験ですが、画家になる前は長く会社員をしていました。
就職がとてつもなく嫌だったけど、他にお金の稼ぎ方を知らなかったのでその選択をしました。
幸か不幸か器用なタイプで、何でもこなせたのですが、どうもしっくりこない。転職は軽く10社にはなるかもしれない(もはや覚えていない)

頭の片隅にはいつも「やっぱりアート系に進みたい。でも何か分からない。デザイナーかな、イラストレーターかなあ…」とグルグル巡っていたのですが、「いやいや、経験もないのにまだ早い。なれっこないよ」とマインドが揉み消す。もしくは周りが「簡単なことじゃないでしょ」と言う。それの繰り返しでした。

マインドとしてはそれを選んでしまうことは、未知の世界。とてつもない「恐怖」なのです。「好き」をはっきり認めてしまうと、もう見て見ぬふりはできなくなるから、心に蓋をする人が多いのかもしれません。

 

「恐怖」の先に待っている、本当の自分らしさ

これも私の場合ですが、会社員を辞めて絵でやっていく!と決めることに対しての恐怖は「お金を稼ぐことができるのか?」でした。

稼げなかったらどうしよう…貯金が尽きたらどうしよう…。考えるだけで青ざめました。
しかし私は両親が元気だから大きな心配をする必要が本当はなかったし、日本には「生活保護」という法律があるじゃないの。
そういった楽観的な考え方を受け入れることができなかったのは、人にどう見られるだろうとか、父と折り合いが悪かった私の「頼りたくない」という感情からくるプライドでした。

その恐怖と少しずつ向き合っていくと、あるとき自分の外側が変化していることに気付いたのです。
お金の面で迷惑をかけていると思っていた両親が、なんとなく嬉しそうにしている。友人が応援してくれる。今までだったら出会うはずのない人たちとの、素晴らしい出会い。

それは私が「もう見て見ぬ振りをしない!」と決断したことによって、鏡のように他者に写し出されたものだったのかもしれません。
怖い、不安だ…と暗い顔をしていれば「じゃあ、やめておけば」と他者は言います。だけど「私はこっちに決めた!」と前を向いて腹をくくれば「それなら、応援するよ」とサポーターがどんどん増えていきました。

 

好きを見つける旅に出よう

好きなことを仕事にするということは、楽しいとか自由だけではありません。もちろんそれは、自分にウソをついて生きるよりは天と地の差があるほどに楽しく自由なのですが、その分ひとりで決めなければいけない「決断力」がその都度必要になってきます。

それは果てしなく続きます。でもそれを乗り越えるたびに、思いもしない出来事や出会いが待っていて、狭く縛られていた自分のマインドが、どんどん解き放たれていくのです。

自分の「好き」がまだ見えていない方は、ぜひ探してみてください。終わりのない旅のようですが、キラキラと輝く自分だけの物語です。

画家

関口 彩

画家。富山県出身在住。
会社員のかたわら絵画制作をはじめ、2017年より画業に専念する。 作品は、動植物や石など自然のものを独自の視点で切り取り、細やかな筆使いで描くのが特徴。 装画、パッケージなどのクライアントワークを手がける他、作品発表を各地で行う。

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