Work Style VISION 2024 ― 開催レポート
Biotopeがなぜ長野の「人と組織」に関わっていきたいのか
2020年の活動をスタートさせた当初から、Biotopeは「長野のはたらく女性たちと関わりを作り、共に社会づくりをしていきたい」とVisionを掲げています。Biotopeでの関わりから、はたらく女性たちの活躍を可視化し、今までにない繋がりを生み出していくことで、地域に新しい風を起こし、長野の街を活性化し、地域経済を発展させていきたいという思いを抱いてきました。私たちは、長野のはたらく女性たちと共に、様々なチャレンジをしていく中で、彼女たちがもっと地域の未来づくりに関わりたい、自分の仕事に誇りを持ち、自分自身に自信を持ち、企業の事業や発展に貢献していきたいという思いを抱いていることを、感じ続けてきました。
私たちが感じ取ってきた多くの思いに応えるべく、Biotopeができることは、
1つ目は、そんな女性たちの思いをカタチにしていくこと。
2つ目は、そんな女性たちをうまく活かしきれない、活かし方に苦慮している長野の中小企業と共に変化を起こしていくこと。
これまでの4年間で、延べ1000人を超える女性たちと関わって得た思いや、可能性や、実績を活かすことは、組織や企業における新たな時代の人材像づくりや組織づくりに大きな役割を果たせると確信しています。Biotopeは、長野のはたらく女性たちと企業が、最高のパフォーマンスを発揮できる地域づくり、組織づくりに貢献していくために動き出しています。
「未来を創る”人”と”組織”」フォーラムの開催
そのような背景により、Biotopeでは2023年から「Work Style VISION」のテーマのもと3日間にわたるフォーラムを開催してきました。このフォーラムでは「未来を創る”人”と”組織”」をBiotope視点で掘り下げ、個人と社会に変化を巻き起こしていきたいという思いを込めて各日のテーマ設定を行いました。
2024年には「“わたしはできる” “わたしたちなら、できる”」という自己効力感を軸に、個人と組織が、活性化する未来を描くことをテーマに掲げ、再び3日間にわたって開催しました。
このフォーラムでは、長野のはたらく女性たちが持つ可能性や自己効力感に繋がる経験をDAY1にて、地域の中小企業と連携しながら新たな時代の組織づくりの模索と活発な議論をDAY2にて、そして、DAY3では、参加者が自分の組織で、実践的な取り組みが展開されるように、実践講座を開催しました。その3日間の様子をレポートします。(参加者数:101名*オンライン含む)
DAY1: 小さな選択が生む大きな変化 “自己効力感が未来を創る”
初日は、「自己効力感(エフィカシー)が個人や社会の変化をどう導くか」をテーマに取り上げました。3人のゲストスピーカーが自身の実体験を共有し、それぞれが失敗や迷いを乗り越えた先に広がった新しい世界を語りました。
特に、小さな成功体験が自己効力感の形成にどのように繋がったかが具体的に話され、参加者に強い印象を与えました。また、バタフライエフェクトに例えた「ささやかな行動の積み重ねが、想像を超える形で周囲のコミュニティや職場に大きな影響を及ぼす」という視点が、多くの参加者に響きました。
DAY2: 関係性にフォーカスすることで生まれる組織エンパワメント
2日目は、組織における「関係性」がテーマでした。ゲストスピーカーとして登壇した経営者や管理職層からは、“成果を上げられるチームは個人スキルだけでなく関係性の質によって決まる”というメッセージが共有されました。また、現在の組織や他者との関係性の中で、その関係性を“バージョンアップ”するための具体的なアクションプランについて、参加者それぞれがアイデアを持ち帰ることができました。
DAY3: 実践講座―互いの認識のズレを解決できる対話力
最終日には、職場や家庭で活用できる具体的な対話スキルを学ぶ実践講座が行われました。この講座では、対話が単なる“会話”ではなく、感情や価値観を交換する重要な場であることを体感する内容が中心でした。
参加者はロールプレイを通じて、異なる立場や価値観を持つ相手との対話を実践しました。「なぜ自分がその時そう感じたのか」をグループメンバーからのフィードバックを受ける中で初めて自分の価値観に気づくという、驚きと発見のある内容でした。
フォーラム全体のまとめ
3日間にわたるフォーラムを通じて、多くの参加者が自己効力感を高め、自分やチームの未来をポジティブに捉える視点を得ることができました。また、単なる知識の習得にとどまらず、実践可能なスキルや具体的なアクションを持ち帰ることができる内容となりました。
本イベントを通じて、参加者一人ひとりが「私はできる」「私たちならできる」という信念を持ち帰り、それぞれの職場やコミュニティで新たな一歩を踏み出していくことを願っています。
アンケート結果より
- DAY1参加者の声(抜粋)
- 登壇者のみなさんや参加者の皆さんが「どう自分がありたいか」を前向きに考えていて、良い刺激になりました!ありがとうございました!
- 山口さんの目的があれば忍耐、一歩踏み出せば全てが繋がるという言葉で、一歩踏み出したいと思えました。
- 自分の中に多様性があっていい、自分の道を歩いていいんだ…!というところに激しく共感しました。抑圧されていた自分に気づくことで、ありたい自分を振り返ることが出来たと気がつきました。
- DAY2参加者の声(抜粋)
- 生産性を上げるには関係の質を高めることが1番の近道ですね。葛藤発表会面白いです。やってみたい。
- 児玉さんの発想がとてもユニークで、とても社員の方が親しみやすい社風なのではないかと思います。葛藤発表会、広がっていくといいと思いますし、その発表にアドバイスをするのではなく、聴く姿勢が育ったり、質問しやすい社風が広がっていけばいいと思います。
- DAY3参加者の声(抜粋)
- 苦手な相手を避けるのではなく、価値観を考えると楽になるかもしれない
- 自身の思考の癖を知り、他者の価値観を理解して接することで関係性が変わる。実践していきたい。
- 自身の価値観もいろいろな観点から話が聞けて有意義な機会でした。
- 今回のワークショップイベント内容もとても自分を深めるものでしたが、今回参加で出会えた方との関わりも、とても貴重なものでした。ありがとうございました。
各日のゲストスピーカーの話は、知識のインプットにとどまらず、参加者一人一人が自分の行動や考え方を振り返ることができ、次への新たな1歩へのヒントや問題や課題解決策が具体的にイメージできる内容であったことがわかります。
※本イベントの企画・運営は、令和6年度 長野県 地域発元気づくり支援金を活用
Biotope今後の展望
私たちBiotopeは、長野のはたらく女性たちが、自分らしさを活かし、想いや能力で社会に貢献し、次世代に繋ぐ未来を共に築いていきたいと前進し続けています。そのためには、一人一人の自己効力感を高め、企業や地域が変化を受け入れることが重要と考えます。
「Biotope Work Style VISION2024」は、女性たちの可能性を引き出し、経営者と共に企業や地域の未来を創る場となりました。私たちは、今後も引き続き、個人と組織のエフィカシーを高める取り組みを展開していきます。
BiotopeFounder
吉川 みのり
[調和性 / アレンジ / 分析思考]
兵庫県神戸市生まれ。システムベンダーにおいてカスタマーサクセスとして6年間勤務。2004年シソーラス株式会社の創業時より、企業の個人情報管理であるプライバシーマーク認証取得支援コンサルタントとして15年以上の経験を持つ。2019年春、長野市に移住。移住後は地域活性化、まちづくりに関わるコミュニケーターとして地域の人々、行政、学生など多様な人々と共に商店街活性・教育・中山間地域交流などのプロジェクトに携わる。長野の働く女性ともっと繋がりを広げたい、地域で活躍している女性を可視化していきたいとの思いでBiotopeを立ち上げる。
2020年秋:Biotope発足
【専門分野資格等】
▶︎コミュニティプラットフォーム構築/個人情報管理/Web運用/レポート作成/資料・マニュアル作成
▶︎プライバシーマークコンサルタント/ファイナンシャル・プランナー