キャリア

なぜ私たちは「リーダーをやります!」と手を挙げられないのか。

「リーダーを目指しませんか」「リーダーやりませんか」そんな声をかけられたとき、あなたはどんな反応をしますか?「まだ早いかも」「他の人の方が向いているかも」と、つい後ずさりしてしまう——。実は、長野県内で多くの女性たちが同じような思いを抱えています。でも、その悩みや躊躇いには、きちんとした理由があるんです。今回は、私たちが「リーダーをやる!」と手を挙げられない理由と、その解決策について考えてみたいと思います。

「完璧にできる自信がない」という呪縛

私たちの多くは、リーダーになるためには「すべてを完璧にこなせる人」でなければならないと思い込みがちです。既存の管理職やリーダーを見ていると、何でも知っていて、すべてをこなしている・・・ように見えるかもしれないです。でも、実際のリーダーたちをよくよく見てみると、必ずしもすべての面で完璧な人はいません。むしろ、「分からないことは周りに聞く」「メンバーの得意分野を活かす」といったマネジメント力で組織を動かしています。

ワークライフバランスへの不安

リーダー候補の女性とのキャリアカウンセリングの中では、「リーダーになったら、今以上に仕事が増える」「家庭との両立が難しくなる」という不安の声が多く上がります。特に、将来の結婚や出産を考えると、リーダー職との両立をイメージしづらく感じるのではないでしょうか。「残業が増える」「休日出勤が当たり前になる」という不安が、リーダー職への挑戦を躊躇させる大きな要因になっていることは否めません。しかし、実はリーダーになることで、むしろ自分で仕事の調整がしやすくなったり、組織の働き方を変える立場になれたりもします。

身近なロールモデルの不在

長野県内に限らず、どの職場にも現段階ではまだまだ女性リーダーが少なく、具体的なキャリアパスが見えにくい状況の組織が多いと感じます。その場合は「どうやってリーダーになっていけばいいのか」「リーダーになった後、どんな働き方ができるのか」というイメージが湧かず、不安が先行してしまうのはしょうがないことです。身近にロールモデルがいないことで、具体的なキャリアパスが描けないという声もよく聞きます。しかし、これは裏を返せば、あなたが新しいロールモデルになれるチャンスでもあります。ロールモデルがいないがゆえ、体育会系の厳しいリーダーシップが、唯一の正解だと思い込んでいませんか?実は、共感力や細やかな気配りといった、私たち女性が得意とする特性も、現代のビジネスでは重要なリーダーシップスキルとして評価されています。

一歩を踏み出すための解決策。

「できること」から始める

完璧を目指さず、まずは自分の得意分野を活かせる小さなリーダーシップの機会から始めましょう。チームの強みを活かし、苦手な部分は周りに相談しながら進めていけばいいのです。プロジェクトリーダーや係のまとめ役など、身近な小規模な経験を重ねることで手触り感や、「自分にもできるかも!」という自信が育っていきます。

新しい働き方を創り出す

リーダーになることで、むしろ仕事の調整がしやすくなることも。会議の効率化や業務の優先順位付けなど、チーム全体の働き方を改善できる立場になれます。ICTツールの活用や柔軟な勤務体制の導入など、自分らしい働き方を提案していくなど、既存の働き方にとらわれず、新しい働き方を会社に提案、組織作りをして行くことを目指してみましょう。あなたのチャレンジが自分や後輩たちの未来の幸せな働き方につながるイメージをもってみてください。

ネットワークを広げる

社内外の女性リーダーとの接点を意識的に作りましょう。メンター制度があれば積極的に活用し、なければ勉強会やセミナーに参加するのもいいでしょう。同じような立場の仲間と悩みや経験を共有することで、具体的なヒントが得られます。自分の悩みは誰かの悩みであり、もしかしたら誰かはもう解決している悩みだったりします。また、誰かの悩みをあなたはもう解決できていたりするかもしれません。ネットワークを広げることで素敵なロールモデルに出会え、あなた自身も次世代のロールモデルになれるという経験もできると思います。

最後に

完璧なリーダーになる必要はありません。むしろ、自分の弱みを認識し、それを補うためにチームの力を借りられる人の方が、より良いリーダーになれます。まずは「やってみたい」という気持ちを大切に、小さな一歩を踏み出してみることが大切です。

あなたのチャレンジが、次世代の女性たちの道を開くことにもなります。自分らしいリーダーシップのスタイルを見つけ、新しいロールモデルとなることで、あなたの職場はより多様で活力のある場所になっていくはず。そしてあなたのキャリアもより幅広くワクワクしたものに変わっていくと信じています。

BiotopeFounder

篠原 智美

[個別化 / 未来志向 / 戦略性]

群馬県伊勢崎市生まれ。多拠点パラレル会社員。2019年に夫の転勤で長野に移住。フリーランサーを繋ぐ企業「ランサーズ」にて全国38自治体・金融機関と連携して地域で活躍する移住者や副業・フリーランスが集うコミュニテ立ち上げや中小企業の外部人材活用支援を行う。銀行員→起業→育休→移住→社内起業など多様な働き方を経験する中で、地域で多様なライフキャリアを実現できる世界を作りたいと思い2022年国家資格キャリアコンサルタント取得。“多様なライフキャリア”をテーマに地元群馬のNPO法人キッズバレイ理事、Biotope 立ち上げほか、複数企業の新規事業推進に携わる。趣味はクラフトビール、親子ワーケーション、お気に入りの人・場所と偶然出会うこと。


【専門分野資格等】
▶︎多拠点&パラレルキャリア/親子ワーケーション/ライフキャリアプラン/経営戦略/新規事業開発/チームビルディング/組織開発
▶︎国家資格キャリアコンサルタント/ファイナンシャル・プランナー/公認ワーケーションコンシェルジュ


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