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日々、描いたり泣いたり笑ったり#2[わたしのこと、Biotopeとの出会い。中編]

波乱の予感!?長野市でのふるさとワーキングホリデー

ワーホリの審査結果を待った10月上旬、長野市役所のあの美人から電話が入りました。「この度は、関口さんに来ていただくことになりました。」とのこと。やったー!

隣の県とはいえ、知らない土地に3週間滞在というのは経験のないこと。私の場合は、長野駅近くのマンション1室(3LDK!)を与えてもらい、Googleマップを見ながら11月からスタートする新しい出来事を妄想し心が踊りました。

それから4日後。2019年は水害が多い年でしたが、その日も大型台風が日本列島を直撃し不安な夜を過ごしていました。翌朝「台風はどうなったんだろう」とテレビを点け目に入ってきた衝撃映像。北陸新幹線の新型車両が、ミニチュアのように並んで泥水に浸かっている!どこの車両基地?…長野市?

大雨の影響で千曲川が決壊し、長野市や千曲市が甚大な被害を受けたとのニュースに呆然としたそれが、令和元年東日本台風でした。

「ワーホリはナシになるのでは…」そんな私の心配を余所に、「駅周辺は被害がないから大丈夫よ〜」と言う、私の受入れ先である広告代理店のエリコ。しかし遊びが頭の大半を占めていた私はもはやそんな心境ではなく、また「台風の被災者にマンションを貸し出すことになりました。そのため申し訳ありませんが、同じワーホリ生の女子大生とお部屋をシェアして下さい。」という市役所からの連絡に、「大学生!!シェア!?」とまたしばらく呆然となったのでした。

「数年前にさ、戸隠の神様に『早くプロの絵描きになれますように』ってお願いをして、その後ありがとうのご報告をしに行ってないのよ。それで呼ばれたかな?」 目の前の出来事を神様のせいにして納得しようとしていた私は、友人を呼び居酒屋にいました。

戸隠の神様、報告に行かなくてごめんね。

「だけどさ、エリコさんって人は何だか知らないけど地方の人っぽくないオーラがビシビシでさ、あのデキる女感。うまくやってけるかなあ。大学生とシェアって…それくらいの歳の子は新人教育とかで接したことしかないよ!」と不安がる私に「大丈夫よ〜。大学生には頼りにされるだろうし、エリコさんとはきっとワーホリが終了する頃には、肩組み合ってワハハって仲良しになってるよ、きっと。」と言う友人。ちなみにこの友人はなぜか先のことをバシリと当てる能力があるのですが、このときは「まあ、戸隠の神様にご挨拶してくるわ。台風のことも、何かできることがあるかもしれないし。」と慰めの言葉など真に受けていませんでした。

いよいよ長野へ。大学生せんちゃんとの暮らし

いよいよ長野市へ向かった11月上旬。長野県は大好きで何度も来ているけど、長野市の街中というのは子供の頃以来かも。そんなことを考えながらマイカーを運転し、道中目にしたエムウェーブに「あああ!長野オリンピック!」と思い出し感動。また、千曲川を渡る際には、台風の爪痕がまだ残る、泥のかぶった木々を見てとても心を締め付けられたのを思い出します。

滞在するマンションへは、エリコと市役所の美人、そして部屋をシェアする女子大生と待ち合わせをして向かうことになっていました。女子大生はどんな子だろうとドキドキしていたけど、可愛らしくお行儀の良さそうな子ではありませんか。逆に私、ひと回り以上も年上だから怖がらせないようにしなきゃ!

彼女のニックネームは「せんちゃん」。お互いの部屋、お風呂の時間やキッチンのことも最初に決めておこうと相談を持ちかけたところ「私、料理しないんで彩さん使ってください」とのこと。なんだと?一気に母親の気分になった私は「自炊をするつもりだったから、二人分作ろうか?」と提案し、それを喜んで受け入れたせんちゃん。さて、あとは自由時間だね、となったときに「私洗濯していいですか。彩さん、この洗濯機使い方分かりますか?」と。なぜ来るなり洗濯?と見れば、よくある全自動洗濯機。おいおい、となりながら「まずは電源を入れましょう、そしたら服の重さを自動的に計り出すから…洗剤はこれね。」と丁寧にレクチャー。その次は「このアイロン、どうやって使うんですか?」と。軽い衝撃を受けながら「家庭科の授業ってあった?」と言いたい気持ちをグッとこらえ(後に言う)、これから彼女と暮らす数週間を思い「新人教育どころじゃねーな」となった長野初日。

さらなるドタバタは後編にて!お楽しみに!

画家

関口 彩

画家。富山県出身在住。
会社員のかたわら絵画制作をはじめ、2017年より画業に専念する。 作品は、動植物や石など自然のものを独自の視点で切り取り、細やかな筆使いで描くのが特徴。 装画、パッケージなどのクライアントワークを手がける他、作品発表を各地で行う。

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