つくるわたしと、いきるわたし。[あいかわけいこさん前編]

絵が描ける私ができることを仕事にする
[イラストレーター あいかわけいこさん]

みなさん初めまして！Biotope アンバサダーのまさきみほです。普段は広告代理店で自治体のPRなどを関わる傍ら、作家としてアートとまちをつなげる展覧会を企画運営している私がアートやモノづくりに関わる人たちへのインタビュー記事を掲載させていただくことになりました。作品だけじゃ分からない、作り手の生活や想いをを伺いながら、普段は謎に包まれている（！？）作り手の方々の素顔を少し垣間見れる記事になるよう頑張ります。よろしくお願いします！

今回は2年前に長野に移住された建設コンサルタント会社に就職を経て、イラストレーター/イラスト講師として活躍されているあいかわけいこさんにお話を伺いました。

プロフィール

あいかわけいこ　ｰ Aikawa Keiko ｰ
画家/イラストレーター/パステル和インストラクター/海藻おしば指導員/食検1級
仕事 4割/家事育児5割/プライペート 1割あるかなあ・・？　
10年間「毎日」イラストを描き続けた技術を生かして procreate 最短習得メソッドを作り、 主にストアカでデジタルイラスト講師をしています。色々な経験を積ませていただき 、ちょっと変わった経歴ですが、それが今大いなる糧となっています。ipad や Procreate を使ったデジタルお絵描きはもちろん、アナログお絵描きも得意としております。日課は「NFT」を作ること。東京→長野在住。トイレに飾る絵展主宰。
【スキル】
Illustrator ★★★★☆
Photoshop ★★★☆☆
indesign ★★★★☆
premiere pro ★★★☆☆
procreate ★★★★★
【その他】
Word / Excel / wordpress / Teachable

前編

―あいかわさんはフリーランスになる前まで企業に勤めながらイラストレーターとして活動されていると伺いました。どのようなお仕事をされていたのかを教えてください。

私は建設コンサルタント会社の中で事務から経理補助、企画営業、環境・防災教育、CSR など様々な業務を行いながら、仕事の一環としてイラスト制作に関わってきました。主にチラシやパンフレット、毎年お客様に配布するノベルティとして防災カレンダーのイラストを制作などが仕事でした。また、環境問題について考えてもらうために海藻おしば※を作るワークショップをしたり、会社のCSR活動に関わったりもしていました。

※海藻おしば：浜辺に打ち上げられた様々な海藻を素材にした押し葉

―これは、防災カレンダーだけにしておくには勿体ないくらい素敵なイラストです！取引のある企業さんからいただいたら、使いたくなっちゃいますね！

ありがとうございます！お客さんから好評で、毎年楽しみにされている方もいらっしゃるそうです。でも、実はリーマンショックの時期かな…？景気が悪くなってきて、経費削減しなくちゃいけない時にカレンダーをなくそうという話も上がったんですよね。だからこそ、こういう風にこういう風に手にとってもらえるビジュアルや楽しく学べるをすれば使ってもらえるし、周りが辞めるからこそ続けた方が良いと思って存続させたんです。

―素敵なイラストが他社との差別化になったからこそ、続けていけたとも言えますね。

そうだと良いなぁ。こういう、カレンダーにしろ、販促物にしろ、情報を受け取ってもらうには、見た目って重要じゃないですか。特に建設系の会社が作るものって内容はマジメなんだけど、ビジュアルがちょっと硬い印象になりがち。だけど、イラストを使うことで印象が明るくなって分かりやすくなるから、見てくれる人も多くなると思っています。

あと、イラストがあると内容を一瞬で伝えられることも強みだと思う。私の好きな言葉で「一枚の優れた写真は2000のワードに匹敵する（ジョン・ケーブルズ(2008)ザ・コピーライティング p346)」とあるのですが、まさにその通り。言葉で説明するよりもビジュアルで見せた方が分かりやすい時もあるじゃないですか。

東日本大震災後に描いた気仙沼の復旧を願って描いた鳥瞰図は、あえてイラストで描く意味を感じた作品ですね。写真や文章も大事だけど、イラストも同じように必要な要素だと思ってて。実物とは少し違っても、誰もがそれを見て何かがわかるイラストなら、一瞬でイメージを伝えてくれる。それが絵の強みだと思うんです。

ー確かにイラストは想いやイメージを伝えてくれます！でも人に＜何か＞を伝えるイラストを描くことは難しくなかったですか？

最初は全然上手くいかなかったです。描いても描いてもボツになったりして！本当に私は美大で絵を学んだ人間だったのかな？って疑うくらい（笑）そこで、クライアント様に喜んでもらうには？と考え、求められているイメージをしっかりと掴めるように対話をしたり、周りの人はどんなことをやっているのかを分析したり、色々と模索しながらやってきました。そうすることで人に伝える絵を描く技術を学んだと思います。

後編へ続きます